校務システムについて
デジタル行財政改革会議とは?教育分野における取組の概要
デジタル行財政改革会議とは
デジタルを活用して公共サービスを強化し経済を活性化するための会議
デジタル行財政改革会議は、日本の行財政の在り方をデジタル技術の力で再構築し、公共サービスの強化と地域経済の活性化を図ることを目的とする会議です。
この会議は、急激な人口減少や社会変化に対応するために設立され、国全体の社会変革を推進するための戦略や施策を検討します。
デジタル行財政改革会議では、デジタル技術を活用して、利用者中心の行財政改革を推進し、持続可能な社会を実現するための戦略が議論されます。
構成は、内閣官房長官およびデジタル行財政改革担当大臣が議長を務めます。
さらに、地域未来戦略担当大臣、行政改革担当大臣、内閣府特命担当大臣(規制改革)、内閣府特命担当大臣(経済財政政策)、デジタル大臣、総務大臣、財務大臣、経済産業大臣のほか、デジタル改革・規制改革・行政改革に関し優れた識見を有する者のうちから議長が指名する者が構成員となり、広範な視点から意見交換が行われます。
会議の運営や庶務は、内閣官房が担当し、必要に応じて関係行政機関の協力を得て進められます。
デジタル行財政改革会議は、デジタル技術を駆使して日本の行政や公共サービスの改革を進め、地域社会の持続可能な発展を目指す重要な取り組みです。
※「利用者」とは、主に日本国内の国民や地域住民、企業など、公共サービスや行政サービスを受けるすべての人々を指します。
参考資料 デジタル行財政改革会議の開催について
デジタル行財政改革会議の概要
デジタル行財政改革会議の目的
デジタル行財政改革会議の主な目的は次のとおりです。
【行政のデジタル化推進】
行政手続きやサービスをデジタル化し、国民や企業が利用しやすい環境を整えること。
オンライン申請の普及や、各種データのオープン化が含まれています。
【業務の効率化とコスト削減】
デジタル技術を活用して、行政業務の効率化を進め、コストを削減すること。
具体的には、業務の自動化やITインフラの整備が含まれます。
【透明性の向上】
行財政のプロセスをデジタル化し、情報の透明性を高め、国民に対する説明責任を強化すること。
【官民協力の推進】
民間企業や専門家との協力を強化し、デジタル技術の導入を加速させること。
この会議では、デジタル化に伴う法的整備やインフラの整備に関する議論も行われており、全体として日本の行政をより効率的で先進的なものにするための改革を進めています。
また、デジタル行財政改革は、行政の効率化や透明性向上を目指すだけでなく、国民一人ひとりがデジタル技術を活用することで、より良いサービスを受けられる環境を整えることも目指しています。
それらを通じて、個々の可能性が引き出され、多様な選択肢や価値が生まれる社会が実現されることが期待されています。
デジタル行財政改革会議の3つの考え方
デジタル行財政改革会議は以下の3つの考え方があるとされています。
(1)地域を支える公共サービスなどに関して、システムの統一・共通化などで現場負担を減らすとともに、デジタルの力も活用してサービスの質も向上させること
(2)デジタル活用を阻害している規制・制度の徹底的な見直しを進め、社会変革を進めること
(3)政策の目的と手段の論理的なつながりを図示化し、KPI(成果を測る指標)や政策の効果を「見える化」して利用者に分かりやすく提示すること
デジタル行財政改革会議の分野
デジタル行財政改革会議の分野は、交通、教育、介護、医療、子育て、福祉相談、防災、インバウンド・観光、スタートアップと多岐にわたっています。
それぞれの分野でデジタル技術を活用して改革を進め、社会全体のサービス向上や効率化を目指しています。
教育の分野においては、主に以下のような取り組みがされています。
【GIGA端末の共同調達】
都道府県に基金を創設し、2028年度までの5年間で調達体制を整備。
【校務DX】
2023年の通知で名簿情報の手入力負担軽減を図り、2025年度末までに押印・FAXを原則廃止。2026年度から4年間で次世代校務DX環境に移行し、都道府県単位での共同調達とデータ標準化を推進。ネットワーク改善の取組が進められ、令和8年3月時点の状況調査も公表されている。
【オンライン教育と民間人材の活用促進】
教師の配置要件を明確化し、都道府県による人材発掘と特別免許状の活用を推進。
【デジタル教材活用促進】
2025年度以降にデジタル教材プラットフォームを横展開し、2024年度中にスポーツ動画コンテンツの特設サイトを開設。
【KPIとロジックモデルの構築】
次世代校務システムの導入率を2029年度までに100%を目指し、政策進捗をダッシュボードで可視化。
【教育データ利活用】
教育DXロードマップを令和7年6月に策定。

参照サイト デジタル行財政改革 取りまとめ2024 概要
デジタル行財政改革会議における教育分野の改革
目的:利用者起点での将来的な児童生徒の学びの質の向上
教師はまだ厳しい労働環境に置かれており、子どもたちのニーズや特性も多様化していますが、教育に必要なデジタル機器やシステムの整備状況には自治体ごとに差があります。
ある地域ではデジタル教育が進んでいる一方で、学校や家庭のインターネット環境に問題があるところもあります。
さらに、教師の業務量の多さや厳しいセキュリティルールが負担になっているなどの課題もあります。
これらの問題を解決するために、クラウドサービスの導入やネットワーク環境の整備を進め、教師が働きやすい環境を作り、事務作業の時間を減らして子どもたちと向き合う時間を増やすことが重要です。
また、オンライン教育や外部の人材を活用して、子どもたちが多様なコンテンツを使って、さまざまな人から学べる環境を作ることや教育データを有効に活用して、子どもたちへの学習支援を充実させることを目指しています。
【現状の課題】
- 【システムの自治体間格差】
- 【学校や家庭の通信環境の差】
- 【校務による教員業務の圧迫】
- 【セキュリティなどの過度なルール】
【課題に対する取組】
①クラウドサービスへの移行やネットワークの整備によって校務DXを進めることで時間を創出
②オンライン教育や民間人材の活用によって自分らしく学べる教育を推進
③デジタル教材の活用
④教育データの効果的利活用によって学習支援の充実
前提:実現に向けて必要となる「GIGA端末の共同調達」
”2023年度に都道府県に基金を造成して、2024年度から都道府県を中心としたGIGA端末の共同調達ができる体制を整備した。2024年4月に全都道府県・全市町村の教育委員会を対象として、事業者(OS、メーカー、通信事業者など)が参加する自治体向けピッチイベントを開催し、端末の基本/応用パッケージなどについて都道府県が市町村と選択できる機会を提供した。”
「デジタル行財政改革 取りまとめ2026」には、上記が記載されています。
デジタル行財政改革の実現に向けて、教育の分野では、GIGA 端末の共同調達の体制が整えられました。
参照サイト:デジタル行財政改革 取りまとめ2024(本文)
取組①校務DXの推進
全国の学校や教育委員会は、クラウドツールの活用やペーパーレス化の進捗を「GIGAスクール構想の下での校務DX化チェックリスト」に基づいて自己点検し、その結果を2024年3月に公表しました。
また、2023年12月には、各教育委員会へ文書送付のデジタル化を徹底し、2025年度末までに押印やFAXの廃止を進める方針を示しました。
2024年4月には校務DXに関する重要業績評価指標(KPI)を設定し、進捗を可視化するための政策ダッシュボードをデジタル庁と文部科学省が共同開発しました。これにより、クラウド環境を活用した校務DXの進捗状況を全国的に可視化しています。
2026年度からは、パブリッククラウド環境を前提とした次世代校務DX環境への移行を段階的に進め、都道府県単位での校務支援システムの共同調達も推進することで、コスト削減や教職員の事務負担軽減を図ります。
また、教育情報セキュリティポリシーの策定や見直しを進め、校務DXの推進に必要な施策を全国的に進める予定です。
取組②オンライン教育・民間人材活用の促進
教育の質を向上させるため、デジタル行財政改革では、オンライン教育と民間人材の活用を推進しています。
地方自治体は、臨時免許や特別免許を持つ教師や非常勤講師を教室に配置できるようにし、学校の創意工夫を支援します。
また、都道府県は大学や企業と連携して人材確保を強化し、デジタル田園都市国家構想交付金を活用して、専門性の高い教師や民間人材をリスト化し、マッチング基盤を構築します。この基盤は2024年度に整備され、2025年度以降に全国展開を見据えています。
取組③デジタル教材の活用促進
デジタル田園都市国家構想交付金を活用して、都道府県内の学校や教育委員会が共通で使えるデジタル教材プラットフォームを2024年度に整備し、2025年度以降に全国展開を図ります。
また、スポーツ体験格差を解消するため、中学生向けの自主学習用動画コンテンツを掲載する特設サイトを2024年度中に開設予定です。
取組④教育データの利活用促進と環境整備
児童生徒一人一台の端末環境で全ての子どもの力を最大限に引き出すため、官民が協力して教育データの利活用とデジタル教材導入の基盤を整備します。
また、自治体間のデータ連携強化や教育データの相互互換性を確保し、個人情報の適正管理を進めるためのルールを整備します。
各自治体でのデータ活用事例の共有や支援を行い、教育データの効果的な活用を全国的に広める取り組みを推進します。
PDCA:KPIとロジックモデルの構築
2024年4月に教育DXに関する重要業績評価指標(KPI)が設定されました。
また、校務DXの進捗状況を可視化し、一元的に表示・閲覧できるツールとして、デジタル庁と文部科学省が共同で政策ダッシュボードを開発しました。このダッシュボードでは、クラウド環境を活用した校務DXの推進状況や、FAXや押印の廃止状況など、全国の取り組みを確認できます。
さらに、毎年春に行われる政策改善対話を通じて、KPIや政策の進捗状況をモニタリングし、必要に応じて政策の軌道修正を行います。政策が適切に進行し、目標達成に向けた取り組みが継続的に改善されることが期待されます。
今後の展望とまとめ
今後のスケジュールとして、各分野の改革を「政策改善対話」などで継続的にフォローし、国と地方が連携してデジタル共通基盤を整備していくことになります。
AIの活用やデータ連携基盤の構築、行政データのオープン化など、横断的な課題にも取り組みながら、デジタル行財政改革を深化させていく展望となっているようです。
教育分野では「政策改善対話」などの場を活用して継続的にフォローアップをするとともに、「国・地方デジタル共通基盤推進連絡協議会」において国と地方公共団体が緊密に連携・協力を図り、国・地方のデジタル共通基盤を着実に整備する必要があります。
令和8年7月時点で、デジタル行財政改革会議をAI・デジタル改革推進会議に発展改組し、事務局機能を9月にデジタル庁へ移管する方針が示されています。